イチジク, 品種研究ノート, 果樹

イチジクの種を探す方法

Pocket



こんにちは。孝太です。

イチジクのバナーネ、バローネ論争は情報が右往左往していてなんだか心の落としどころがない。そして、調べているうちにベローネという新しい混乱の元が現れた。

何とかこの問題の解決への糸口をつかみたいと考えていたところ、一つのアイディアを思いついた。



めぼしい種類のイチジクの種を買って育ててみるというものだ。なんというロングショット。

こんなようなことをきっかけにしていろいろ試してみる理由にしたりしている。模索しているうちに全然違う方法になっていったり、稀に本題すら忘れたりする。

インターネットを見て想像できたこととしては、まず、バナーネとべローネは別の種類であるということ。そして、前者は黄色、後者は赤黒色ということ。つまり、観察用に育てているもののようによく目にするバナーネとは別の品種としてべローネという種類があるということだ。そして、バローネという名称の存在が混乱を生んでいる。イチジクを取り扱っているサイトや画像検索ではバローネはバナーネの別称という扱いになっているように見える。ただ、一部にバナーネ、ベローネ両者ともにバローネいう名前と併せて三つ巴でちぐはぐに扱われていることがあるということがあり個人的に混乱を生んでしまっている。

まず、バナーネをべローネと表記しているものは表記上の誤りということになる。これは大体間違いがないだろう。また、正式名称として扱われているならばバローネがどちらかの別称であることが正しいということになると思う。

もし学名的な意味での名称は別として、商習慣上ある名称を使用しているということならば消費者にとっては分かりにくいが一般的によくあることだ。その意味ではバローネという品種の名前自体がまやかしかもしれないし、販売者や消費者が勝手に混乱をしているだけかもしれない。扱いの比重は圧倒的にバナーネがバローネであるということだ。もちろん、インターネットのみに頼って正しい判断はできないと思うが、一消費者としてはできる限り分かりやすく真実に近づきたい。

ところでイチジクを育てるには、枝で枝挿しか種の播種のようだ。そこで、種を手に入れて育ててみようと思い立ったわけである。

しかし、インターネットで種を探しているとアルファベット表記があり、より混乱を深めた。専門知識がないので尚更分からない。

余談だが、Ficus Carica L.というのがイチジクを表す学名だ。インターネットで探しているが、よくFicus Caricaと書いてあるのはイチジク全般を指しているようだ。

Wikipediaによるとイチジクの各国語の表記は以下の通り。

イタリア語:fico
フランス語:figue
スペイン語:higo
英語:fig
ドイツ語:Feige

本題に戻る。

まずは、ロングドートという名前のついたものを一つ見つけたのでそれをポチることにした。フランス産ということで、バナーネ(バナッチ、バナナクイーン、ヨーロピアンスター)の正式名称といわれているものだ。バローネの画像検索でもほとんどがロングドートと同じような果実のイメージがでてくる。併せて、気になったカラブリーズロングという種類の種も買うことにした、ロングドートという名前の付いたものと苗の写真が一緒だったからだ。

また、黄色っぽい実のつながりで、参考のためホワイトハニーというのも買ってみた。これは、外見が黄色の実で大きい実がなるのが売りになっている種類だった。

次に、核心に迫るべローネの名前がついたものをポチった。表記上はベローネと読める。一部にベローネの名前が書いてあるページにバローネと併記したものがあったことが自分の中で混乱を生んでいるが、まずは、バナーネとベローネが別の種類であることを確認する意味で重要視した。また、これ以外にはそれらしいものは見当たらなかった。ドワーフの種類らしいが、ネット上にあったベローネの写真にも様子がよく似ていた。

また、赤い実のつながりで、比較のために、赤黒い大きい実が生るブラックキングハニー、ブラウンターキー、レッドも併せて購入した。ブラウンターキーとレッドは同じ種類のような気もする。ブラウンターキーは日本でも出回っているようだ。また、ホワイトハニーとブラックキングハニーは色以外は様子がだいぶ似ているような気がした。キングという種類は日本でも出回っているようだがこれも同じかどうか確証はない。

他にもWorld Biggestなどと書いてあるものもあったが敬遠した。全体的に品種の信憑性からしていまいちだが、探している名前の付いた2種と一応必要な条件として自家結実性があると書いてあるものをできるかぎり選んでみた。いつもながらだんだん横道にそれてきたのでこの程度の探索で留めておこうと思う。

信頼のある種苗店ではないインターネット経由で種を買ったときに気づいたあるある的な留意すべき点は以下の通り。

・品種名や管理の信憑性が怪しい。

全然違う種類の種が平然と売られている。ネット上で問題になっていることもある。売っている本人も気づいていないことがある。あきらめられる程度のものを買う。

採取時期や恐らく管理のせいで発芽しない種が売られていることがある。これは自分の技術のせいかもしれないのでいずれにせよあきらめる。

品種名と掲載されている写真が全く違うことがある。これはよく混乱する。見極めが難しい。できれば実物の写真で判断したい。

仕組み上同じ写真や説明書きが使いまわしされていることがあるので誤ったものもあり混乱を招く。これも掲載している本人も気づいていないことがあり、判断が難しく注意が必要だ。できれば実物の写真を使っているもので判断したい。

・発芽率が怪しい。

全く発芽しないものがある。これは自分の技術のせいの可能性もあるので条件や購入する店を変えるなどで対応する。

もちろん、高い発芽率のものもある。これは当たり。

・届くのが遅い。

だいたい1か月くらいかかることがある。郵便のシステム上なのでしょうがない。

素人が趣味で買う分にはこういう部分も織り込み済みで楽しむということでいいと思う。

ちなみに、インターネット上にロングドートを育てている人が登場するページがあり、素晴らしい実が生ったということだったが、その人は車でフランスのはずれのイチジク農園に車で行って買ってきたというようなことも書いてあった。イチジク栽培は世界的に結構メジャーな趣味なのかもしれない。

また、この件については、インターネット上にもう少し詳しく分析している人がいたり、日本でも種や苗は売ったりしているので、話はすでに核心をとらえているかもしれないし、周辺情報を併せて奥深く研究しようと思えばできる環境ではあると思う。今回は単なる思い付きで、種が発芽するかもわからず、実現できるかどうかわからないような程度なのであまり深く踏み込まずに進めたい。そういえば、いつも深くは踏み込んでいないような気もする。

もう、なんだかよく考えれば名称なんかどうでもいいから発芽をさせるのを楽しみたいと思うようになってきた。

インターネットでのオーダーはだいたい到着が遅く、1か月くらい後に種が届くと思う。災い転じてなんとやらで、気温などが発芽に丁度いい時期かもしれない。

この話はこのくらいの感触で牛の歩みで進めてみたいと思う。