, 植物観察ノート

長実松を発芽させる方法

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こんにちは。孝太です。

松の発芽については、今まではシシマツのみが元気よく発芽してきていたので、たまたまシシマツの種が当たりだったということで一旦は結論付けようと思っていた。

が、意外とそうでもなかったらしい。それは、長実松が発芽したからだ。



シシマツの苗を日の当たるところに移動しようと近寄ったところ、隣の列の異なる種の松も発芽していることを発見した。

長実松だった。


発芽した長実松の芽

写真右手前にももう一つ発芽しかけている芽があるのが分かる。

長実松(ナガミマツ)は、名前の表す通り、世界で一番長い松毬を生らせる種だ。学名は、Pinus lambertiana。手工芸でオーナメントを作る際などにも海外から輸入された松毬が利用されているのをよく目にする。

世界一長い松毬以外にも興味深いことがある。この松は、別名サトウマツやシュガーパインとも呼ばれる種で、樹液から糖分を採ることができる。サトウカエデから採取するメイプルシロップのようなイメージだ。竹庶と併せて糖を採ることができるという点で3大個人的に興味がある植物だ。

この長実松の種は、去年の早いうちに手に入れていたもので、昨年蒔いたものは芽が出なかったが、その残りをダメ元で今年蒔いたものである。

獅子松の件と併せて考えると、一冬置いたこと、蒔いた季節、土の配合、ポットの配置くらいが新しい条件だ。あと考えられるのは今年の気候によるところかもしれないということがある。

シシマツもナガミマツも昨年中に購入し、暗いボックスの中で常温で一冬保存していたものである。あまりにも芽が生えなければ低温湿潤処理などの方法も考えてみようと思っていたが今回は必要なかったみたいだ。

条件面については特殊なことは特にないと思うが、状況は以下の通り。

蒔いた季節は、5月のゴールデンウィークあたりなので、春ということになるか。

土の配合は、ポリポットに中粒赤玉土を底にひき、残りは赤玉土と種蒔き用の土を混ぜたものを主な土とした。

ポットの配置は、午前の遅い時間から日が当たる場所に置いた。半日陰に近い場所だったが、初め日の強いときは日よけをしていた。近頃は日よけはしていなかったので日よけは必要なかったかもしれない。水は土が乾いたらしっかりあげるようにしていた。

今年は、春先の気温が高かったのでそれも影響しているかもしれない。それを考えると、今後夏の気候になってきたら追加で発芽するものもあるかもしれない。

一方、根がポットの下の穴から出てしまったものは、発芽間もなく地上部が枯れてしまったものがあったので、今後注意したい。

上記のような感じで条件面で考えても些細な違いのみで特に目新しいことはなかったので、シシマツが当たりの種だと思ったのだが、長実松が発芽したということはその辺りの条件面に成功の秘訣がありそうだ。

この種も貴重な種類の松なので元気に育ったほしいと思う。

長実松の発芽のおかげで来年も珍しい松の発芽にチャレンジしてみたいという気概が生まれた。

また種を探そう。